2025年度日本農芸化学会 札幌大会への補助に対する対象者と発表後の自己評価(順不同)

渡部 奏(北海道大学農学部)

発表タイトル
ゼニゴケにおけるジャスモン酸生合成経路の解明

自己評価
学会発表では、自分の研究を分かりやすく伝えられたと感じた。特に、異分野の方からも意見をいただけたのは、説明が伝わった証拠として自信につながった。同分野の研究者との議論では新たな視点を得られ、今後の研究の方向性を見直す良い機会になった。

多田 壮汰(北海道大学大学院農学院)

発表タイトル
網羅的かつ立体選択的なOPDA類の合成方法の確立

自己評価
初の学会発表でとても緊張したが、聞きに来てくれていた方々にできる限りのことを伝えることができたため、良かった。また、発表には自信がなかったものの興味を持って聞きに来てくださる方がいたおかげで、研究のモチベーションにつながるいい機会となった。準備が十分ではない点があったため、また機会があれば、しっかりとした準備で発表できるように頑張りたい。

五十嵐 早紀(北海道大学大学院農学院)

発表タイトル
グアバ葉・インディアンデーツに含まれるTIE2活性化成分とそれらの血管内皮細胞に対する効果

自己評価
学生生活最後の学会だったこともあり、これまでの集大成だという強い気持ちと自信をもって臨むことができました。全国の学会でのポスター発表が初めてだったので、初めは緊張していたのですが、多くの方が興味を持っていただけたこと、新しいご意見を頂けたこと、自分の研究・発表に対する感想を頂けたことが、新鮮で楽しみながらディスカッションができました。コアタイムの1時間が短く感じるほど非常に有意義な時間を過ごすことができました。まだまだ勉強不足な部分もあると感じたので、今後の経験に活かしていきたいと思います。

足立 悠輔(北海道大学大学院農学院)

発表タイトル
苦味受容体Tas2r108、Tas2r126の脂肪細胞での機能解析

自己評価
満足した発表ができたと考えている。発表時間の間、様々な方々の前で発表したが、研究の背景から、実験の考察や今後の流れなどをわかりやすく説明できたと考えている。また、ポスター自体も満足できるポスターを作成できたと考えている。反省点としては、研究の背景に関する知識が少し足りないと感じたため、今後はより多くの論文を精読し、知識や考察力をより高めていきたいと考えている。

髙橋 陽太(北海道大学農学部)

発表タイトル
KK-Ayマウスの肥満および2型糖尿病の進展にともなって培養腸内細菌叢の構成に及ぼす糞便microRNAの影響が変化する

自己評価
はじめての学会ということで不安だったが、たくさんの方々に見に来ていただき無事発表することができた。来ていただいた方々にはたくさんのご指摘を頂き今後の研究の糧となった。しかし、今回の発表では自分の研究を説明することで手一杯になってしまって、来ていただいた方々との議論が活発には行えなかった。次回の学会では、普段話をしない方々と活発な議論ができるようになりたい。

山上 晃汰郎(北海道大学大学院農学院)

発表タイトル
実験室進化による大腸菌のエネルギー欠乏への潜在的な適応能力の解明

自己評価
ポスター発表当日は、多くの方に研究内容を聞きに来ていただいた。これまでの成果や今後の展望、実験結果の解釈などについて、自分の考えや主張をしっかりと伝えることができ、また議論することができた。今回の発表では、ストレス応答性σ因子であるrpoSの欠損による大腸菌変異株の生育改善に関する内容があったが、その詳細なメカニズムについて質問してくださった方が何名かいた。この点については未だ明らかになっておらず、自分自身も興味深く思っているところであるため、この先さらなる文献調査や追加の検証を行っていく必要があると感じた。

川上 志野(北海道大学大学院農学院)

発表タイトル
高脂肪食摂取ラット盲腸内で増加する脂肪酸が腸内細菌の生育に与える影響の解明

自己評価
今回のポスター発表では、分かりやすいポスター作成と説明に努め、他の専門の方にも自身の研究内容に関心を持っていただくことを目指しました。
当日は6名の方と議論することができました。同様の実験を経験された企業の方からは、結果の共通性とそれに関する考察をいただいたことに加え、脂肪酸利用を検証するという観点にて、本研究で検証した脂肪酸が腸内細菌によって修飾されたことを想定し、修飾飽和脂肪酸を定量するという具体的な提案をいただきました。これらのご意見は今後の研究における新たな視点となり、非常に有意義でした。
一方で、他分野の方への説明ができなかったことや、一部の質問において検証不足な点があったことが課題として浮き彫りになりました。この経験を活かし、さらに準備を充実させ、多様な視点に対応できる発表を目指します。
最後になりましたが、このような新たな学びの機会を得るにあたり、参加費の補助という形で支援をして頂いたことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

塚崎 修平(北海道大学農学部

発表タイトル
通常飼育マウス腸内でのビフィズス菌生存におけるタンパク質分解酵素遺伝子の重要性の解明

自己評価
初の学会発表であり,初見の人に対して背景などをより分かりやすく説明する必要があると感じた.特に当研究室での先行研究に関して,分かりやすく伝えることができていなかったと感じる.質問者との意見交換を通じて,研究の改善点やこれからの方針の検討につながるアドバイスをいただき非常に有意義な発表であった.結果に関して,培地の組成にまだ改善点があることや遺伝子が実際に発現しているのかといった今後の研究でさらに検証していく必要があると感じた.

角広 陸(北海道大学農学部

発表タイトル
共培養実験による2種環境細菌間の競合ダイナミクスの解析

自己評価
今回の学会では、栄養条件が2種細菌( Delftia acidovorans PKM302株、Comamonas thiooxydans PKM496株 )間の競合動態に与える影響についてポスター発表を行い、細菌が保持する武器遺伝子との関連性について考察を行った。実験結果から、PKM302株は接触依存的な武器、あるいは拡散依存的な武器によりPKM496株を殺菌しており、特に貧栄養条件において武器の発現あるいは活性が上昇し、生育に必要な何らかの栄養源を獲得している可能性が示された。栄養条件に応じて武器遺伝子の発現あるいは活性が変化するメカニズムについては未だ解明されておらず、細菌がどのように武器を駆使して微生物生態系内で生存圏を確保しているのか明らかにしようとしている点で、本研究は重要である。
質疑応答においては、既知の攻撃武器における作用機序について質問を受けることが多かったが、複数の具体例を挙げて、先行研究を提示しつつ簡潔に説明することができた。また、聞き手の方々から建設的なアドバイスを多くいただいた。具体的には、「攻撃武器遺伝子の獲得は水平伝播によるのか、あるいは進化の過程によるのか」を解析する方法として、近縁種において攻撃武器遺伝子が保持されているかどうかを探索すればよいのではないか、というご指摘をいただいた。攻撃武器を駆使して他種を攻撃するという特性について、水平伝播により偶然獲得したものであるのか、あるいは種・属レベルで同様の生存戦略をとっているのかは興味深く、私にはなかった視点であったため、今後の解析の参考にしたい。

金澤 妃紗(北海道大学農学部

発表タイトル
ビフィズス菌のアミノ酸獲得におけるアミノ酸・ペプチド輸送体の役割の解明

自己評価
初めての学会発表ということもあり,緊張もしましたが,研究の背景や目的を明確に伝えることを意識して発表できたと思います.その結果,多くの質問や貴重なアドバイスをいただき,自分の研究を多角的な視点から見直す良い機会となりました.特に,自分では気づかなかった課題や,新たなアプローチの可能性について示唆を頂き,今後の研究をより発展させるための重要な手がかりを得ることができました.いただいた意見を整理し,今後の研究につなげたいと思います.

江川 結衣(北海道大学農学部

発表タイトル
定量 PCR 解析によるヒト糞便中のデオキシコール酸生成菌の存在量の解明

自己評価
今回初めて学会に参加したが,他の学生さんや先生方に自分の研究内容を分かりやすく伝えることの難しさを学んだ.しかし,ポスターの内容について,興味深そうに見てくださる方には詳しく,少し目に留まって立ち止まってくれる方には簡潔に説明したり,質疑応答では自分の考えも交えつつ答えたりなど工夫できた点も多くあったと感じている.他の参加者の発表や質疑応答も参考にし,発表能力の向上と興味深い研究の進展に努めたいと感じた.