「ますます楽しみな麹菌の世界」

麹菌は清酒、味噌、醤油、味醂などの発酵食品を造る上で欠かせない微生物です。先人たちの長年に亘る試行錯誤によって、麹を造る際に用いる株や製麴法には改良が重ねられてきました。最近は麹菌をチーズの熟成に利用する試みも行われています。このセミナーではそれぞれの食品を造る上でどのような麹が求められるのかを、実際に製造に取り組んでおられる方々のお話を交えつつ、今後益々楽しみな麹菌の世界を皆さんと共に考えます。

  • 日時:2024年9月8日(日)15:30 – 17:00(1510分 受付開始)

  • 場所: 佳さく(北海道函館市本町5-16)

  • 講師:
    川端 慎治(上川大雪酒造株式会社 代表取締役副社長・総杜氏)
    玖村 朗人(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・教授)

  • コーディネーター:
    趙 佳賢(北海道大学大学院水産科学研究院・助教)
    石塚 敏(北海道大学大学院農学研究院・教授)

  • 主催:日本農芸化学会
    共催:北海道大学大学院水産科学研究院、北海道大学大学院農学研究院
  • 参加費:500円(試食&試飲代として)
  • 定員:20名(20歳以上)
  • 参加申し込み方法:ここをクリックしてグーグルフォームにてお申し込みいただくか、下記QRコードよりお申し込みください。

問い合わせ・連絡担当者

趙 佳賢(e-mail: gahyun●fish.hokudai.ac.jp)または石塚 敏(e-mail: zuka●agr.hokudai.ac.jp)

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(9/25追記)開催報告

第155回サイエンスカフェは、函館の居酒屋「佳さく」で20歳以上を対象にはこだて国際科学祭のポストイベントとして開催されました。

まず、川端慎治氏(上川大雪酒造株式会社 代表取締役副社長・総杜氏)から、麹を用いた伝統的な発酵食品の一つである日本酒の美味しさに影響する水や酒米など素材の話について解説いただきました。発酵が盛んになるとアルコールの風味が強くなりすぎるので、最終的に目指す風味になるように発酵の状態を仕向けるなど、日本酒醸造で注意すべき点について具体的でありながら一般の方々にもわかりやすく説明していただきました。

次に、玖村朗人氏(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 教授)から、チーズの基本的な作り方を紹介いただきました。さらに、その製造工程の些細な違いによってチーズ中の栄養成分が変わり、それがチーズの出来具合に影響することで、多様なチーズの特徴になりうること、加えて、最近作られるようになった麹を用いたチーズの特徴や、一部で好ましくないとされる脂肪分解について解説いただきました。

今回は特に、話題に関連するお酒の試飲や麹を用いたチーズの試食があり、日本酒とチーズのマッチングに関して参加者と講師が和気藹々とディスカッションするなど、「大人のサイエンスカフェ」あるいは「サイエンスバー」という趣になりました。

参加者:14名